DeckDeFantasy

 先日紹介したフリーゲーム「DeckDeDungeon」と作者を同じくする、フリーゲームDeckDeFantasy」がリリースされた。執筆時バージョン1.0.7。基本的には紹介記事だが、後半に若干の攻略メモも書いておく。

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 DeckDeFantasyは先日のDDDと「ダンジョンを進行しモンスターを倒してカードを入手するデッキ構築型カードゲーム」という共通した根幹を持ち、かつ多くの要素を加えて全く新たなゲームに仕上げた物となっている。

 DDDと比較してまず目につく最大の違いは、パーティ編成要素が加わったという点だ。プレイヤーは『勧誘』によってキャラクターを入手し、手持ちのキャラクターの中でパーティを編成する。キャラクターはそれぞれステータス、ダンジョン内で発揮される特殊効果である『パッシブ』、そして特定条件下で発動する強力な『必殺技』を持っている。そしてプレイヤーはそれらの組み合わせを模索しつつ、最大6人を選択する訳だ。DDDではダンジョンに入る前のスタートラインは初期デッキ・追加カードの差はあれど個人差はなくある程度一定であったが、DDFでは自分の手持ちという枠の中で各々の最適解を模索していく事となる。

 キャラクターの入手手段は『勧誘』であると書いたが、その勧誘にも4つ種類がある。毎日1度行える無料勧誘、100金貨勧誘、10,000銀貨勧誘、指名勧誘だ。指名以外の4つはそれぞれキャラクターのレア度による排出割合が異なり、金貨勧誘ではレア1のキャラクターが出ない等の差がある。金貨、銀貨はそれぞれゲーム内で稼ぐ事が可能であり、携帯端末版では課金による金貨の購入が可能であるものの個人的には余程プレイを急がない限り課金せずとも快適にプレイが可能だ。尚指名勧誘では、多少割高な金貨の消費によって日替わりで特定の9キャラを確実に入手する事が出来る。

 また勧誘以外にもダンジョン内でキャラクターを手に入れる手段がある。一定以上の難易度のダンジョンのボスを倒した際に特殊なカードをドロップする場合があり、それを持ったまま50階層を踏破することで特定のキャラを仲間にすることが出来る。

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 キャラクターは各性能の他にレベルとアクセサリスロットを持っており、育成要素が存在する。各キャラクターは仲間になった時点ではレベルが1であり、1つめのパッシブのみが解放されている。ダンジョンに繰り返し挑戦し経験値を稼ぐ事でレベルが上がり、レベル4、7で2つ目、3つ目のパッシブが解放され上限のレベル10になる事で必殺技が解放される。また各キャラ1つのアクセサリスロットを持っており、ダンジョン踏破時にスコアに応じて手に入ることのあるアクセサリをセットする事が出来る。スロットは同じキャラを入手する度に増え最大5つとなり、1度セットすると外す事は出来ない(上書きは可能)。好みのキャラの強化に使うのが良いだろう。

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 ダンジョンは形式が大きく変わり、ベースとなる『街道』から地図を使用する事で各ダンジョンに移動する形となった。各ダンジョンは階層が決まっており、最終階層のボスを倒すと街道に再び戻る。また累計50階層を超えると、ダンジョン踏破となり冒険が終了となる。極端な話街道を進んでいるだけでもダンジョンを踏破出来るが、各ダンジョンに行く事で金貨・銀貨・経験値を稼ぐ事が出来る。

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 あとはステータスなどが存在する都合カードデザインもDDDとは大きく異なっている。この辺りの細かい点は列挙していると切りが無いため、実際にプレイして確かめて欲しい。ここからは、リリース後に実際にある程度プレイしてみての攻略記事である。

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 DDFでは前述の通り各々の環境が大きく異なるため、画一的な攻略方法等を挙げる事は難しい。今回は、自分がプレイしてみて有用だと感じた物を紹介しようと思う。

 プレイ開始直後の段階では、第一目標となるのは何と言ってもパーティを整える事だ。最低でも6人揃え、パッシブが発揮されるレベル7までは上げてしまいたい。そこで心掛ける事は、とにかく「50階層踏破する」という事。50階層踏破する事で入手する経験値・金貨・銀貨が2倍となるため、効率に大きな差が出る。そのため、自信が無い内は敵が強くなってくる終盤の階層では保身に走って街道を走り抜けるのも選択肢になる。

 また、ダンジョンに入る前にショップでタイムボーナスを付ける事が出来る。10金貨支払う事で、1時間の間入手できる経験値と銀貨が2倍になり、ボスを倒した時の金貨が+1(元の入手量も1)される。発動のための10金貨は簡単に回収が可能であるため、まとまってプレイする場合には積極的に利用するべきだ。金貨稼ぎに慣れれば1回の冒険で20以上の金貨が得られるようになるため、1回の冒険のためにタイムボーナスを使用しても黒字になる。

 なお金貨を稼ぐ場合は難易度が1か2のダンジョンのみを回すのが効率がよい。ボスは一律1金貨で、低難易度のダンジョンは5階層でボスに到達するため1度の冒険で多くの金貨が得られる。何よりダンジョンの難易度が低いためパーティが整ってくれば周回も非常に容易である。

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 最後に、主観的ではあるが強いと思っているキャラ、及びパッシブを紹介しておこうと思う。あくまで主観であり、またそこまで多くのキャラを現状所持している訳でも無いため何某が抜けている等は御容赦頂きたい。

・旅の何でも屋 リッカ

 パッシブは「獲得銀貨アップ」「治療:使用不可、妨害カード」「回避:麻痺、石化、呪い、罠」、必殺技は「大声で叫ぶ:TEC8以上で戦闘終了時に行商を呼ぶ」。全部強い。獲得銀貨アップは実感はし辛いが地味に嬉しい。治療・回避は範囲が完全に被ってはいるもののカバー出来る物が多く、ガード3さえ維持できれば非常に強力。カバー出来る状態異常が比較的対処し易い部類になるため必須とまでは行かないが居ると非常に便利。また必殺技が滅法強く、その気になれば毎階層行商を呼べる。これがどういう事かと言うと「強力なカードを入手する機会が格段に増え」「地図がダンジョン内で手に入るためダンジョンからダンジョンへと渡り歩け」「不要なカードをデッキを圧迫する事無く定期的に処分する事が出来る」のである。毎階層行商を呼ぶには毎階層1ターン倒さずに過ごす必要があり、また他の必殺技が使い辛くなるというデメリットはあるもののそれに見合うメリットがある。大声で叫ぶと自分が来たりするのは御愛嬌。

・大賢者の孫娘 シリル

 パッシブに「持続ガード」「上級獣使い」「回避:毒、出血、破防」。全て強い。特に上級獣使いはパッシブで捕獲+が使える代物であり、モンスターによっては需要の高いカードがホイホイ手に入る。特にスライムからサクリファイスが手に入るのは覚えておきたい。また回避の組み合わせも致命的になり得る所を抑えている。レア3なため500金貨掛かるが、指名勧誘に居たら手に入れる価値はあるはず。

・豪運の カスリック

 パッシブが「獲得金貨アップ」「手札引き直し」「食料調達」。レア2にも関わらずかなり勝手の良いキャラ。貴重な獲得金貨アップを持ち、タイムボーナスと合わせると低難度ダンジョンを回っているだけで一度の冒険で50弱の金貨を稼ぎ出せる。またパーティで1人持っているとCP事情が一変するCP回復パッシブと後述する強力パッシブ「手札引き直し」を持つため、パーティの穴を埋め易いのも評価が高い。

・「手札引き直し」

 TEC丁度2で手札を全て捨て引き直すパッシブ。偶に意図せず発揮してしまうのが少々厄介だが、それさえ気を付ければかなり強力なパッシブ。TEC2という条件がかなり絶妙で、TEC3のカードを使う事で確実に避けられるラインでありかつ少ないカード数で狙える数字となっている。手札を引き直す利点としては、気に食わない手札を流すのみならず相手の弱点属性を突くカードを探したり、回避のためのガード維持の安定化に貢献したり、破棄したくない使い捨てカードを手札から捨て札にしたりととにかく使い勝手がよい。
 これを利用したテクニックとしては、ターンを経過させずに不要な使い捨てカードを消費する(引き直しだろうが何だろうがプレイすれば破棄される、プレイせず手札に残せば引き直しのために捨て札に捨てられる)事や、プレイカード破棄と合わせる事で1ターンに大量のカードを破棄する(プレイカード破棄状態なら引き直しだろうがプレイしたカードはそのまま破棄される、プレイしなかったカードは捨て札)事がある。特に後者はデッキの圧縮に非常に有用であり、序盤にスライムから入手したサクリファイスでデッキ内の初期不要カードをサクリファイス諸共片っ端から破棄する動きはデッキ圧縮プランにおいて重要な動きである。
 ちなみに「達者」と組み合わせると更に使い勝手が上がる。4枚プレイで1TEC出力出来るため、1TECを含む4枚をプレイすれば引き直せるようになる。前述の1ターンに大量破棄するテクニックにも活用ため、是非試してみて欲しい。

・闇を照らす カルラ

 パッシブは「手札引き直し」「警戒」「回避:スタン」、必殺技は「ねこだまし:TEC8でスタン3付与」。レア1とは到底思えない取り合わせである。ステータスや初期カードはレア度相当だが、それを十分補う強さがある。警戒はガードが敵の先制時に前のターンのものが持ち越される仕様になったためテスト時程の重要性は無くなったのだが、それでも隙を消せるのは強力である。また回避し損ねると1ターン完全に無防備になってしまいかねないスタンをガード1で避けられるのはかなり便利。手札引き直しの強さは前述の通り。

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 現状持っているものだとこんな所か。上級鍵開けなんかは上位互換の強運の存在が気になるもののその強運はカード再使用とセットになってるのが何とも…。個人的にデッキの回りが遅くなったり暴発したりし易いカード再使用は余り好きではないのだ。

 余談だが、少しデッキ圧縮プランについて触れたが、DDDと比較すると「デッキ枚数を参照するカード」や「捨て札・山札から強力なカードを引っ張ってくるカード」が登場したため、非圧縮プランでも十分強力な動きが出来るようになっているように思う。何より50階層で冒険が終了するため、非圧縮での動きが破綻する前に冒険終了に辿り着けるのが大きい。「こう動けばまず負けない!最強!」みたいな動きは正式リリース版では現状見つけていない(多分ない)のでそういう方面の記事を今後書くかは分からないが、DDDよりも多様なプランが採りやすくなっているように思う。これを読んでプレイしてみようと思う人がもし居れば、色々と試してみて欲しい。